【医療翻訳の独学勉強法】基礎医学、薬学、製薬業界に関する基礎知識の習得
医療翻訳の独学勉強法の第1ステップは、基礎医学、薬学、製薬業界に関する基礎知識の習得です。
医学部出身、看護師・薬剤師としての職歴ありという方は、足りない部分の知識だけを補えばOKです。
私のように、文系出身・医学の専門知識ゼロという地点から、医療翻訳者を目指す場合は、ある程度時間をかけて、基礎医学、薬学、製薬業界に関する基礎知識を習得する必要があります。
医療翻訳の独学勉強法の第1ステップ、基礎医学、薬学、製薬業界に関する基礎知識の習得について詳しくご紹介します。
目次
医療翻訳者に必要な医学、薬学、製薬業界に関する基礎知識とは?
医学の専門知識ゼロから、医療翻訳者を目指す場合、まずは製薬企業の営業職であるMR(医薬情報担当者)に求められる基礎知識の習得を目標にすることをおすすめします。
MR は、医師、看護師などの医療関係者を相手に、診療活動に役立つ信頼性の高い情報の提供を行うため、医療や製薬業界に関する幅広い知識が求められます。
MRに求められる知識は、医薬翻訳者に求められる基本的な知識をほぼ網羅しているため、文系出身の医療翻訳志望者は、MR研修用テキストで基礎知識を学ぶとよいと言われています。
「文系出身者には難しいのでは?」と思われる方も多いかもしれませんが、現在活躍しているMRの半数以上は文系出身と言われています。
文系出身でも基礎から勉強すれば十分に理解できることばかりなので、しっかり時間をかけて習得していきましょう。
MRに求められる知識というのは、基礎医学(解剖生理学)、薬学、そして製薬業界に関する知識です。
各項目ごとに具体的な独学勉強法をご紹介します。
医療翻訳者に必要な基礎医学の独学勉強法
MR基礎教育のコアカリキュラムの中で、「人体の構造と機能 」という項目があります。
学習目標は、「ヒトの生命維持機構とその破綻により生じる疾病を理解するために、細胞および人体の構造と機能 に関する基礎知識を修得する。 」とありますが、この基礎知識は医療翻訳者にとっても必須の知識です。
具体的な項目として、以下の項目が挙げられています。
≪人体≫
1. 人体の外観について概説できる。
2. 人体を構成する階層構造について概説できる。
≪細胞≫
3. 細胞の構造と機能について概説できる。
4. 遺伝子の構造と機能について概説できる。
5. 細胞の増殖と分化について概説できる。
≪組織と器官≫
6. 組織について簡潔に説明できる。
7. 器官と器官系について簡潔に説明できる。
≪生命の維持≫
8. 生命維持活動とホメオスタシスについて概説できる。引用元:MR導入教育「基礎教育」コアカリキュラム、財団法人 医薬情報担当者教育センター
この人体の構造と機能の理解は、一般に「解剖生理学」と呼ばれている分野で、看護師の国家試験でも必須と言われています。
公益財団法人MR認定センターが提供している「MRテキストⅡ 疾病と治療 2012(基礎)」は、この解剖生理学分野を体系的に学べるテキストです。
現在、MR認定センターの公式サイトで、2015年改訂版が1,944円で販売されています。
テキストを読むより、動画で楽しく勉強したいという方には、WEB玉先生の解剖生理学講座もおすすめです。
【医療翻訳に役立つサイト】基礎医学・解剖生理学が無料で学べるサイト
医療翻訳者に必要な薬学の独学勉強法
MR基礎教育のコアカリキュラムの中で、「医薬品情報を理解するための薬学の基礎 」という項目があります。
医療翻訳の中では、医薬品情報に関する案件が7割以上と言われているので、「医薬品情報を理解するための薬学の基礎 」も医療翻訳者にとって必須の知識と言えます。
具体的な項目として、以下の項目が挙げられています。
≪剤形と投与経路≫
1. 医薬品の投与経路の吸収部位と期待される作用および特徴を概説できる。
2. 各投与経路で用いられる代表的な剤形を列挙し、その特徴を概説できる。
3. 医薬品の容器、包装形態の種類と特徴について概説できる。
4. ドラッグデリバリーシステム(DDS)の概念と有用性について例を挙げて概説できる。
≪薬物の体内動態≫
5. 薬物の体内動態(吸収、分布、代謝、排泄)と薬効発現の関わりについて概説できる。
6. 主な剤形の吸収過程と特徴について概説できる。
7. 薬物の初回通過効果について概説できる。
8. 薬物が細胞膜を透過する機構と組織移行について概説できる。
9. 薬物の分布と組織移行について概説できる。
10. 血液脳関門および血液胎盤関門の役割と仕組みについて概説できる。
11. 薬物代謝について概説できる。
12. 薬物の排泄について概説できる。
13. 生物学的利用能について概説できる。
14. 生物学的同等性について概説できる。(以下、省略)
引用元:MR導入教育「基礎教育」コアカリキュラム、財団法人 医薬情報担当者教育センター
公益財団法人MR認定センターが提供している「MRテキストⅠ 医薬品情報 2012」は、薬学の基礎について体系的に学べるテキストです。
現在、MR認定センターの公式サイトで、2015年改訂版が1,620円で販売されています。
無料で本格的な薬学を基礎からわかりやすく学べるこちらのサイトもおすすめです。
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医療翻訳者に必要な製薬業界に関する基礎知識の独学勉強法
MR基礎教育のコアカリキュラムには、基礎医学、薬学の他に、製薬業界の業務の中で必須知識とも言える、薬事法を始めとした数々の規制、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)の役割、創薬の流れと各段階の役割、医療保障制度や薬価基準制度なども含まれます。
医療翻訳者は、製薬業界の規制や制度、創薬の流れ、非臨床試験、臨床試験の役割などについても、勉強しておく必要があります。
公益財団法人MR認定センターが提供している「MRテキストⅢ 医薬概論 2012」は、製薬業界の規制や制度などについて体系的に学べるテキストです。
現在、MR認定センターの公式サイトで、2016年改訂版が1,944円で販売されています。
また、医療翻訳者必読と言われている、「日本の薬事行政」という資料にも、製薬業界の規制や制度などはまとめられています。
医療翻訳者必読!日本の薬事行政2015年度版(英語版)ICHガイドライン
PMDAの公式サイトにも、医療翻訳者に役立つ情報がたくさん公開されていて、日英の両方で読める記事も多いので、勉強に役立てることをおすすめします。
医療翻訳の独学勉強法 Step 1.基礎医学、薬学、製薬業界に関する基礎知識の習得まとめ
医療翻訳の独学勉強法の第1ステップとして、基礎医学、薬学、製薬業界に関する基礎知識の習得について、具体的な独学勉強法をご紹介しました。
基礎医学、薬学、製薬業界に関する基礎知識は、医療翻訳者として原文を正しく理解するための大切な基盤です。
文系出身・医学の専門知識ゼロという地点から、医療翻訳者を目指す場合は時間をかけて、これらの基礎知識を勉強する必要があります。
短期間に効率よく医療翻訳者に最低限必要な知識を習得したい方には、医療翻訳者に必要とされる専門知識を体系的に学べるDHCのメディカルベーシックコースもおすすめです。
参考記事:医薬翻訳に必須の知識が効率よく学べるDHCのメディカルベーシックコース
医療翻訳の独学勉強法の第1ステップが完了後は、医療翻訳の独学勉強法の第2ステップ、治験関連文書の理解と医薬翻訳の頻出動詞の攻略についての理解に進みましょう!
基礎医学、薬学については、一度に全て理解することはなかなか難しいので、だいたいの内容を理解しておいて、後は実際に翻訳の仕事を受けた時に、すぐに参照できるように情報をまとめておくとよいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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