【医療翻訳の独学勉強法】 医薬翻訳者必読の文書から用語集、表現集を作成
医療翻訳の独学勉強法の第1ステップとして、基礎医学、薬学、製薬業界に関する基礎知識の習得を、第2ステップとして、治験関連文書の理解と医薬翻訳の頻出動詞の攻略をご紹介しました。
基礎医学、薬学、製薬業界に関する基礎知識と、治験関連文書、医薬翻訳の頻出動詞を習得できていれば、医薬翻訳者としての基盤は既に構築できていると思います。
今回は医療翻訳の独学勉強法の第3ステップとして、医薬翻訳者必読の文書から用語集、表現集を作成する方法ついて、解説します。
目次
医療翻訳の独学勉強法ステップ3-1. 医薬翻訳者必読 ICHガイドラインから用語集を作成
ICHガイドラインとは?
ICHガイドラインは、日・米・EU間で新医薬品の承認審査に関する諸規制の調和を図り、安全で効果のある新しい医薬品をより早く必要としている患者に届けることを目的としています。
ICHの事務局は、スイスのジュネーブにある国際製薬団体連合会(IFPMA)内に設置されていて、ICHガイドラインは、各地域・領域の専門家により、作成されています。
医療翻訳者にとってICHガイドラインが重要な理由
ICHガイドラインは、日・米・EU間共通の新医薬品の試験などについて規定した国際的なガイドラインです。
医療翻訳の中でも需要が多く、現在、全体の7割以上を占めているとも言われている治験に関する翻訳では、用語や表現について、ICHガイドラインを準拠することが常識となっています。
ICHガイドラインから医療翻訳に役立つ用語集を作成する方法
ICHガイドラインは、PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)のサイトで日本語版と英語版が無料で公開されています。
下記の記事でも紹介しましたが、まずは以下の医療翻訳の中でも最も重要と言われている以下のガイドラインから、用語集を作ることをおすすめします。
医療翻訳者必読!日本の薬事行政2015年度版(英語版)ICHガイドライン
- ICH-E2A 治験中に得られる安全性情報の取り扱いについて
- ICH-E3 治験報告書
- ICH-E6 GCP(医薬品の臨床試験の実施基準)
- ICH-E9 臨床試験臨床試験のための統計的原則
例えば、ICH-E2Aには以下のような記載があります。
「重篤」は,患者の生命または機能を危険にさらす事象に関連した患者や事象の転帰または処置基準に基づく用語である。
「重症」という言葉は,ある特定の事象の強さ(激しさ)を表現するために使われることが多い(心筋梗塞の程度が軽度(mild),中等度(moderate),高度(重症,severe)のように).しかしながら,重症の場合でも医学的意義は比較的小さい(重症の頭痛のように)こともある.重症は「重篤」と同義ではない。出典:ICH-E2A 治験中に得られる安全性情報の取り扱いについて
この「重篤」という概念は治験の副作用報告とも関連している重要な概念で、疾患の重症度を表す「重症」と明確に区別される必要があります。
「重症(severe)」と「重篤(serious)」は一見、混同してしまいがちなので、医療翻訳のトライアルなどでも頻出です。
このように、ICHガイドラインには医療翻訳では、常識として知っておかなければならない用語や知識がたくさん詰め込まれています。
しっかり読んで内容を理解した上で、用語集にまとめておきましょう。
医療翻訳の独学勉強法ステップ3-2. 日本の薬事行政、薬局方から用語集を作成
ICHガイドラインと並んで、医薬翻訳者にとって必読と言われているのが、日本の薬事行政と薬局方です。
日本の薬事行政は、厚生労働省の組織構成や、日本での薬事に関する規制を全てカバーしています。
ICHガイドラインと重複する部分もありますが、実際に医療翻訳の案件の中で遭遇することも多い、「薬食発 第?号」、「薬食監麻発第?号」などという表現も、日本の薬事行政の日英両方を読んで用語集を作っておくことで、慌てずに対応できます。
薬局方の通則も、「~にやや溶けやすく」、「~にほとんど溶けない」などの表現を始め、医薬翻訳では重要です。
こちらの記事にまとめてありますので、しっかり読んで用語集にまとめておきましょう。
医療翻訳者必読!日本の薬事行政2015年度版(英語版)ICHガイドライン
医療翻訳の独学勉強法 Step 3.医薬翻訳者必読の文書から用語集、表現集を作成まとめ
医療翻訳の独学勉強法の第3ステップとして、医薬翻訳者必読の文書から用語集、表現集を作成する方法について、解説しました。
ICHガイドライン、日本の薬事行政、薬局方は、医療翻訳者にとっては常識として知っておくべき重要な文書なので、しっかり読んでおきましょう。
日本語版、英語版がWEB上で公開されているので、Excelなどに用語集としてまとめておくと、医療翻訳者として活動する中で、将来的に必ず役に立ちます。
第3ステップまでの学習が完了した後は、実践編に進んで、医療翻訳者になるために必要な訓練を積んでいきましょう!
【医療翻訳の独学勉強法】 実践編1:医療系の文献を多読&翻訳実践
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