【医療翻訳の独学勉強法】 治験関連文書の理解と医薬翻訳の頻出動詞の攻略
医療翻訳の独学勉強法の第1ステップとして、基礎医学、薬学、製薬業界に関する基礎知識の習得をご紹介しました。
基礎医学、薬学、製薬業界に関する基礎知識は、医療翻訳者として原文を正しく理解するための大切な基盤です。
特に私のように医学系のバックグラウンドがなく、医療翻訳者を目指す場合は、時間をかけて、しっかり理解しましょう。
今回は医療翻訳の独学勉強法の第1ステップ終了後の第2ステップとして、治験関連文書の理解と医薬翻訳の頻出動詞の攻略について、解説します。
目次
医療翻訳の独学勉強法ステップ2-1. 治験翻訳入門で治験の流れと頻出文書を理解する
出典:http://www.hicareer.jp/trans/chiken/10-1.html
「ハイキャリア」というサイトが提供している「治験翻訳入門」は、医療翻訳の中でも需要が高い治験翻訳について丁寧に解説されたサイトです。
非臨床試験、臨床試験、新薬承認申請という医薬品開発の流れと共に、医療翻訳でも需要の多い治験関連文書の用語や翻訳例が掲載されているので、とても勉強になります。
この「治験翻訳入門」を活用して、治験の流れを理解しながら、医療翻訳で頻出の治験翻訳関連文書の目的、用語、フォーマットなどを理解しましょう!
治験翻訳入門 第1回 治験とは?
治験翻訳入門の第1回目では、そもそも「治験とは?」ということから理解できるようになっています。
ここでは、1.基礎研究→2.非臨床試験(対象:動物)→3.臨床試験(対象:人)という流れとそれぞれの目的、基礎研究と非臨床試験の分野よりも、臨床試験分野の翻訳の需要が多い理由などを理解できればOKです。
治験翻訳入門 第2回~第4回 非臨床試験の理解
非臨床試験は翻訳の需要が少ない分野ではありますが、創薬全体の流れを把握するためには理解しておくことが必要です。
治験翻訳入門の第2回~第4回は、さらっと読んで、非臨床試験のそれぞれの試験の目的や内容に関する概要を理解しておきましょう。
治験翻訳入門 第5回~第9回 臨床試験と治験関連文書の理解
治験翻訳入門の第5回~第9回は、医療翻訳で頻出の分野、臨床試験に関する部分なので、しっかり読んで、理解しましょう。
Phase I~IVのそれぞれのフェーズでの試験の目的や内容、そして、将来、医療翻訳者になったら必ず仕事が回ってくると思われる「治験総括報告書」について、しっかり理解しましょう。
治験総括報告書、治験薬概要書、CTDについては、EXCELファイルなどに用語集としてまとめておくことをおすすめします。
治験翻訳入門 第5回 臨床試験 (1) GCPと治験の実施手順
治験翻訳入門 第6回 臨床試験 (2) 「臨床試験の一般指針」に見る臨床開発の進め方
治験翻訳入門 第7回 臨床試験(3) 「治験の総括報告書」(1)
治験翻訳入門 第8回 臨床試験(3) 「治験の総括報告書」(2)
治験翻訳入門 第10回 添付文書の理解
治験翻訳入門の第10回のテーマは、添付文書です。こちらも医療翻訳の中でも需要が多いです。
ボリュームが少ないせいか、医療翻訳者として登録したばかりの新人に依頼がくることも多いのではないかと思います。
(私の場合は、在宅の医療翻訳者になった初年度は、添付文書の英訳の案件を多く受注しました。)
定型表現も多いので、基本のフォーマットを理解して、EXCELファイルなどに用語集をまとめておくとよいでしょう。
治験翻訳入門最終回 -翻訳者心得-
治験翻訳入門の最終回は、翻訳者としての心構え、必要な辞書などについて、解説されています。
治験翻訳入門の著者、横田晴子さんのこれから翻訳者を目指すへの温かいメッセージが詰まっているので、ぜひしっかり読んでみてください。
医療翻訳の独学勉強法ステップ2-2. 医薬翻訳の頻出動詞の習得
「MediEigo(メディエイゴ)」は医療翻訳に頻出の動詞を効率よく学ぶために最適
医療翻訳の基礎を効率よく勉強するためには、医療翻訳で頻出の動詞を徹底的に攻略することがとても重要です。
【医療翻訳の勉強法】独学にも!医療翻訳の基本が学べる無料サイト
の中でも紹介させていただきました、株式会社シナジーが運営する「MediEigo(メディエイゴ)」は、NEJM、JAMA、BMJ、Lancetという主要な医学ジャーナル4誌に掲載された論文から,使用頻度ランキング上位100位までの動詞を取り上げて、その動詞の基本的な概念や医療英語の中で実際にどのように使われるかについて解説したサイトです。
無料で公開されていることが信じられないくらいクオリティの高いサイトです。
このサイトに掲載されている動詞や例文は、医療翻訳の中でも核となる頻出の例文ばかりなので、図のように、英文、日本語、解説という3列に分けて、Excelファイルにまとめておくことをおすすめします。
「MediEigo(メディエイゴ)」を利用して医療翻訳に頻出の動詞を攻略しよう!
例文の中で、意味がわからない用語がでてきて、解説にも説明が書かれていない場合は、必ず用語の意味を調べましょう。
例えば、
The ABC value at baseline was associated with newly diagnosed diabetes.
ベースライン時のABC値は,糖尿病の新規発症に関連していた。
引用元:MediEigo(メディエイゴ)
という例文の「ベースライン」という用語の意味がわからなかった場合は、Googleで「ベースラインとは」、「ベースライン 意味」などをキーワードに検索すると答えが見つかる場合が多いと思います。
ただしネット上の情報は必ずしも正しいとは限りませんし、わかりやすい説明に辿り着くまでに時間がかかることもあります。
効率よく調べたい場合は、【医療翻訳の勉強法】医療翻訳に必ず役立つおすすめ参考書で紹介しました「まずはこれから!医療翻訳者のための英語」(森口理恵著、イカロス出版)もおすすめです。
この本の中では、医療翻訳でも特に重要な用語がわかりやすく解説されていて、巻末に索引が付いているので、用語の意味、英訳を知りたい時にとても便利です。
この本の索引で、「ベースライン」を引くと、以下のような説明が記載されています。
baseline ベースライン/基礎期
治療薬の投与を開始する前の時期のことで、日本語ではそのまま「ベースライン」と表現することもあります。
at baselineは「投与前」という意味に使われ (以下、省略)
引用元:「まずはこれから!医療翻訳者のための英語」(森口理恵著、イカロス出版)
”at baseline”(投与前/ベースライン時)という表現は、治験関連の文書では頻繁に登場します。
このように、わからない用語の意味をしっかり調べて理解することは医薬翻訳者としての基盤作りとして、とても大切です。
「MediEigo(メディエイゴ)」を利用した医療翻訳頻出動詞の具体的な攻略法
以下は「MediEigo(メディエイゴ)」を利用した医療翻訳の頻出動詞攻略のための具体的な勉強方法です。
- 上の図のように、「MediEigo(メディエイゴ)」の各動詞の中の動詞と例文を、英文、日本語、解説という3列に分けて、Excelファイルにまとめる
- 英語、日本語、解説を読み、わからない用語の意味を調べながら、理解できるまで何度も読む
- 文の内容を理解した上で、例文を日本語 5回→英語5回、声に出して読み上げる
- 1で作成したExcelファイルに、日本語の列がブランクのシート、英語の列がブランクのシートを追加して、和訳、英訳の両方向を正解できるまで繰り返す
翻訳のトレーニングなのに「声に出して読み上げる」は必要ないのでは?と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、実際に声に出して読むことで「体験」として記憶に残りやすいとも言われています。
ぜひ試してみて下さい。
「MediEigo(メディエイゴ)」に掲載されている動詞や例文は、主要な医学ジャーナル4誌に掲載された論文から使用頻度が高かった表現が厳選されて載っているので、全て重要です。
医療翻訳の案件を受けている中でも頻繁に使う表現ばかりです。
ここに掲載されている動詞の用法、ニュアンスを完璧に理解して、例文を和訳、英訳、両方向できるようになっていれば、その後の学習が、ぐっと楽になります。
私は翻訳スクールに通っていた時に毎週の課題として、具体的な方法4の和訳と英訳のような短い文章の翻訳の訓練を30文程度翻訳していました。
「MediEigo(メディエイゴ)」の用語・例文・解説は、医療翻訳スクールで習うことと同じくらいクオリティが高く、重要なことばかりなので、医療翻訳の独学にはもってこいの教材だと思います。
翻訳の基盤作りとして、とても有効なトレーニングなので、ここは時間をかけて、じっくりトレーニングしてみてください。
医療翻訳の独学勉強法 Step 2.治験関連文書の理解と医薬翻訳の頻出動詞の攻略まとめ
医療翻訳の独学勉強法の第2ステップとして、治験関連文書の理解と医薬翻訳の頻出動詞の攻略について、解説しました。
文系出身・医学の専門知識ゼロという地点から、医療翻訳者を目指す場合は、年単位の時間をかけて、これらの基礎知識を勉強する必要があります。
あまり時間をかけずに高収入の翻訳者を目指したい方には、特許翻訳もおすすめです。
特許翻訳は医療翻訳と同様、需要が多いのに、対応できる翻訳者が少ないため、高額収入者が多い分野です。
「語学力ゼロで8ヵ国語翻訳できるナゾ」の著者で、短大卒、英検3級の「ずぶの素人」から、2年後に月収100万を達成した水野麻子さんも特許翻訳者です。
将来、絶対に医療翻訳者を目指したいという方は、医療翻訳の独学勉強法の第2ステップが完了後は、第3ステップに進んで、医療翻訳者必読と言われる日本の薬事行政、ICHガイドライン、薬局方を日本語と英語の両方で読んで、用語集を作りましょう。
ボリュームが多いので時間はかかりますが、必ず将来、医療翻訳の仕事をするようになった時に役立ちます。
【医療翻訳の独学勉強法】 医薬翻訳者必読の文書から用語集、表現集を作成
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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