看護師におすすすめの英会話本「現場ですぐに役立つ! 看護・医療スタッフの英語」

看護・医療スタッフの英語-画像

最近は日本を訪れる外国人が増えていて、病院でも医療従事者が外国人の患者に対応する機会が増えているようです。

医療現場で外国人とコミュニケーションをとるための英会話を効率よく勉強したいという看護師さんもいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、そんな看護師さんにおすすめの「現場ですぐに役立つ! 看護・医療スタッフの英語」という本をご紹介します。

「現場ですぐに役立つ! 看護・医療スタッフの英語」とは?

外国人患者の不安を取り除くための英会話表現が学べる本

「現場ですぐに役立つ! 看護・医療スタッフの英語」(山中マーガレット著、朝日出版社)は、不安を抱えて来院した外国人患者と円滑にコミュニケーションをとることを目的とした実用的な英会話本です。

病院で日常的に繰り広げられる場面ごとに、患者に対する代表的な問いかけや、患者からのよくある質問や答えなど、場面に即した実用的な英会話例がまとめられています。

この本の一番の特徴は、看護師として知っておきたい外国人患者の不安な気持ちを落ち着かせるためのコミュニケーションのポイントなどが盛り込まれていることです。

著書の山中マーガレット先生の経歴

この本の著者である山中マーガレット先生は岐阜女子大学の教授です。

オーストラリア生まれの山中先生は高校生のときに交換留学生として初来日し、金沢の高校に通い、その後、クィーンズランド大学で日本語・日本文学を修め、岐阜女子大学にて英米文学研究で修士号を取得したという素晴らしい経歴の持ち主です。

ですが、この本ができるきっかけとなったのは、山中先生が一人の母親としての経験からだそうです。

娘が2歳半の時に脳炎になり「一生寝たきり」と言われ大きなショックを受けたという山中先生は、その時の医療従事者の冷たい態度にもさらにショックを受けたとか。

しかし、後になって「医療従事者たちが冷たい態度だったのは、英語で話をする母子への接し方がわからなかったせいなのでは」と気づいたそうです。

山中先生ははしがきで

病院をはじめとする医療施設でも、外国人を温かい気持ちで迎えて欲しいと思います。そうすることで、どんな重病をかかえた外国人患者さんにとっても、心強い励ましになると思います。

と述べられています。

「現場ですぐに役立つ! 看護・医療スタッフの英語」のおすすめポイント

患者とのコミュニケーションの秘訣が満載!

「現場ですぐに役立つ! 看護・医療スタッフの英語」の一番のおすすめポイントは、外国人患者の気持ちに寄り添って、安心してもらうための英会話フレーズやコミュニケーションの秘訣がたくさん盛り込まれていることです。

例えば、救急車で運ばれてきた患者の場合、大きなストレスやショックを抱えていることが多いため、こちらから答えを用意しながら質問をするといいそうです。

患者:肩が痛いんです。:My shoulder hurts.

看護師:どんな痛みですか。:Can you describe the pain?

患者:・・・

看護師:鋭い痛みですか?:Is it a sharp pain?

患者:いや。:No.

看護師:にぶい痛みですか?:Is it a dull pain?

患者:はい。にぶい痛みです。:Yes. It’s a dull pain.

引用元:「現場ですぐに役立つ! 看護・医療スタッフの英語」

このように、こちらから答えを用意して、イエス、ノーで答えられるようにする質問のことを「クローズドクエスチョン」と言います。

逆に、患者から症状について詳しく聞きたいというシチュエーションでは、以下のような「オープンクエスチョン」の方が有効だそうです。

もっと教えてください。:Tell me more.

薬の効き目はどうでしたか?:And how did the medication work for you?

症状は日常生活にどのような影響を及ぼしていますか?:How do these symptoms affect your everyday life?

引用元:「現場ですぐに役立つ! 看護・医療スタッフの英語」

心を込めて言えるように付属のCDを聞きながら何度も練習すると、いざというときに緊張しないで声がけできそうですね。

また、患者さんの言葉が聞き取れなかった場合に使える便利なフレーズも紹介されています。

例えばこんなフレーズです。

えっ?失礼?:Sorry?

もう一度言ってください:Could you say that again?

もっとゆっくり言ってください:Could you speak more slowly?

書いてください: Could you write that down?

外国人との会話では聞き取れないと焦ってしまいがちですが、正確に理解するためにも勇気を持って聞き返すことは大切です。

聞き返すだけではなく、ゆっくり話してもらう、紙に書いてもらうなどのバリエーションを覚えておくと、聞き取れなくても慌てずに対処できそうですね。

「現場ですぐに役立つ! 看護・医療スタッフの英語」まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今回は、看護師さんにおすすめの英会話本として「現場ですぐに役立つ! 看護・医療スタッフの英語」をご紹介しました。

この本は、山中マーガレット先生の「医療施設でも外国人を温かい気持ちで迎えて欲しい」という思いやりの気持ちが込められた内容になっていると思います。

最低限の英会話を外国人の患者さまが安心して治療を受けられるようにサポートしたいという看護師さんはぜひチェックしてみてください。

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