「正しく診断するための診療英会話」は医師が外国人患者との英会話を学べる本

正しく診断するための診療英会話-画像

「医師が外国人の患者を診療する時に使える英会話を学びたい」

「医師向けの医療現場で役立つ英会話のフレーズをまとめた本が欲しい」

「外国人の患者さまが来院したときに必要最低限のコミュニケーションがとれるようになりたい」

今回はそのような方におすすめの医師が外国人の患者さまを診察する際に使用する実践的な英会話が学べる本「正しく診断するための診療英会話」をご紹介します。

「正しく診断するための診療英会話」とは?

医療現場で使える実用性の高い英会話フレーズ集

2016年6月に出版された「正しく診断するための 医師の診療英会話」(バーマン・シャーリー・J (著)、バリー・ブラム (監修)、ナツメ社)は、医師が外国人の患者を診察するために必要な英会話のフレーズをまとめた本です。

この本は、PART1とPART2の2部構成になっています。

PART1では、日本の病院で日常的に行われる医師と患者のやりとりを英会話フレーズとしてまとめています。

外来受付から、問診、診察、検査、診断、処置、処方、会計までの一連の流れがカバーされていて、実用的な英会話フレーズや典型的な医師と患者の会話例が豊富に盛り込まれています。

PART 2には、23の診療科別に、各診療科ごとによく使われる英会話フレーズが紹介されています。

医師と患者の典型的な英会話例が疾患別に紹介されていて、医療現場で役立つ実用的な内容となっています。

「正しく診断するための 医師の診療英会話」の構成は?

「正しく診断するための 医師の診療英会話」の構成は以下のとおりです。

  • ■PART1 基礎編
    Chapter 0 病院概要
    Chapter 1 総合受付
    Chapter 2 問診
    Chapter 3 身体診察
    Chapter 4 検査
    Chapter 5 診断・処置・処方
    Chapter 6 手術・入院
    Chapter 7 会計
    Chapter 8 ER(救急治療室)
  • ■PART2 応用編
    ●内科系
    Chapter 1 神経内科
    Chapter 2 消化器内科
    Chapter 3 腎臓内科
    Chapter 4 呼吸器内科
    Chapter 5 循環器内科
    Chapter 6 血液内科
    Chapter 7 糖尿病代謝内科
    Chapter 8 精神科
    Chapter 9 リウマチ科
    ●外科系
    Chapter 10 一般外科
    Chapter 11 整形外科
    Chapter 12 心臓血管外科
    Chapter 13 脳神経外科
    Chapter 14 乳腺外科
    ●その他
    Chapter 15 小児科
    Chapter 16 肛門科
    Chapter 17 産婦人科
    Chapter 18 泌尿器科
    Chapter 19 形成外科
    Chapter 20 皮膚科
    Chapter 22 耳鼻咽喉科
    Chapter 23 歯科・口腔外科

PART1の病院概要には、受診の手順 の説明から院内順路案内なども含まれ、実際に外国人が来院した時に必要な会話を順序立てて学べるようになっています。

PART 2では、各診療科別に頻繁に使用される便利な英会話フレーズがまとめられています。

疾患別に医師と患者の典型的な会話例なども紹介されていて、医療現場で役立つ実用的な内容となっています。

「正しく診断するための 医師の診療英会話」のおすすめポイント

外国人の患者が実際に使う一般的な表現が豊富

医師の診療英会話のポイント-画像

出典:「正しく診断するための 医師の診療英会話」

「正しく診断するための 医師の診療英会話」の著者のバーマン・シャーリー・Jさんは言語学者です。

この本の中では、言語学者ならではの視点で、患者と医師が正確な意思疎通を行うための注意点などについても触れられています。

例えば、医師が通常使う専門用語と一般の患者が使う一般用語との違い、日本語と英語の表現の差などについてです。

疾患名は、医師が通常使う専門用語が一般的にも普及されている場合もありますが、一般の患者さまは違う表現で訴えることも多いそうです。

肩関節周囲炎は、日本語では一般的に「四十肩」と呼ばれていますが、英語でも「frozen sholder(凍結肩)」という一般用語が普及しているようです。

日本人が一般的に使う「肩凝り」は英語では「stiff shoulder」ではなく「stiff neck」と表現される場合が多いことなど、医師として知っておきたい英語と日本語の表現の違いなどが学べる点は非常によいと思います。

診療科別の使える英会話フレーズが便利

医師の診療英会話の診療科別使える表現-画像

出典:「正しく診断するための 医師の診療英会話」

また、PART2で紹介されている診療科別の使える表現も非常に実用的で便利です。

脳神経外科の使える表現の中には、

「I understand you often feel sad. This is not unusual.」

(よく悲しい気持ちになりますよね。これは珍しいことではありません。)

「I understand you’ve had some memory trouble. I know that can be frustrating.」

(記憶力に何らかの問題があるのですね。そのことでいらいらされるのはわかります。)

引用元:「正しく診断するための 医師の診療英会話」

このような外国人患者の不安な気持ちに寄り添い、安心して治療を受けてもらうために役立つ表現など、実際の診療で便利に使えそうな英会話フレーズが充実しています。

また、患者が特定の疾患の症状を説明するときによく使われる典型的な表現なども掲載されています。

こちらは、患者が脳卒中を説明するときによく使う表現として紹介されていた例文です。

「I have a terrible headache for apparently no reason.」

(明らかに原因不明の激しい頭痛があります。)

「My vision is blurred.」

(視界がぼやけます。)

「It’s hard to speak clearly.」

(はっきり話すのが困難です。)

「I’m numb on this side of my body.」

(体のこちらの側がしびれています。)

引用元:「正しく診断するための 医師の診療英会話」

全ての疾患について、網羅されているわけではありませんが、この本を参考にして、自分の診療科で日本人の患者がよく訴える症状を英文として準備しておくと、外国人の患者を診察するときに役立つのではないでしょうか?

「正しく診断するための 医師の診療英会話」にはCDが2枚ついていて、ナチュラルスピードの英語と日本語が録音されています。

ナチュラルスピードなので、最初は聞き取りづらいかもしれませんが、何度も繰り返し聞いて慣れることで、ヒアリング能力も向上すると思います。

また、医師が発する会話の部分は、実際の場面を想像しながら、何度も声に出して練習することをおすすめします。

医師が診察時に使う英会話を学べる「正しく診断するための診療英会話」まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今回は、医師が外国人の患者さまを診察する際に使用する実践的な英会話が学べる本として、「正しく診断するための診療英会話」をご紹介しました。

非常に実用的で実際の医療現場で役立つ本だと思います。

外国人の患者さまを診察するために、必要最低限の英会話を習得したいという方はぜひチェックしてみてください。

また、医師が外国人患者を正しく診察するために必要な英会話の勉強法として

  1. 診察に必要なフレーズを覚える
  2. 患者が症状を訴える時に使う表現を理解する
  3. 外国人患者と英語で話すための実践力を養う

の3つのステップについて、こちらの記事にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

医師が外国人患者を診察するための英会話の勉強法

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